詳しい案内(アキニレ)
落葉後も枝に残る果実には膜質の翼があり、2個の種子が入っています。強い風が吹いたときに風に乗って翼の付いて種子が遠くまで運ばれるように種子の重量が小さくなっています。このことは、種子に蓄えられた成長に必要な養分が少ないことになり、発芽後の成長は競合する植物より遅くなります。
アキニレは自然の環境では、強風で広く種子が散布されることで競合する植物が少ない瘠せ地まで運れ、その地で優占して育っています。
若い樹では樹液が出ることから、クヌギと同じくカブトムシ等の昆虫が集まります。花はその年に伸びた枝に直径4ミリほどので咲きます。
一般的に「ニレ」という場合、ハル二レを示すことが多く、ハルニレの開花、結実が春であるのに対し、秋(9月頃)に開花、結実するためアキニレと呼ばれるようになりまたした。
「ニレ」の語源には、「『濡れ』の方言に由来し、樹皮を剥ぐと粘液が生じて幹が濡れたように見える」という説、あるいは「韓国名の『nulum』に由来する」という説があります。
別 名 :イシゲヤキ(石欅)カワラゲヤキ(河原欅)〔樹形や樹皮の様子がケヤキに似ていること、イシ、カワラは木材が石のように硬いこと、生息地として河原を好むことからきています。〕
科 名 :二レ科
属 名 :二レ属
分 布 :東海地方以西、中国南部、台湾及び朝鮮半島